MINISFORUM AI X1 ミニPC(Ryzen 7 255 / 32GB / 1TB) |USB4×2とOCuLinkで“拡張自在”
Zen 4 8コア+Radeon 780Mの小型デスクトップ。Wi‑Fi 7/2.5GbE、HDMI 2.1+DP 2.0+USB4で最大4画面。性能は強いが、静音性と価格は見極めたい。
結論
買っていい人:据え置きの実務PC+マルチディスプレイを小型で作りたい人。Office/ブラウジング多数タブ、軽い写真編集やインディー系ゲームまで快適。将来はOCuLinkで外付けGPU増強も可。
見送るべき人:静音最優先・超軽量作業のみや、重い3Dゲームを内蔵GPUだけで高設定でやりたい人。TDP高めで全開時の騒音/発熱は出る。
4出力対応:HDMI 2.1/DP 2.0/USB4×2で最大4画面。4K高リフレッシュはケーブル/モニタ要件あり。
USB4×2+2.5GbE+Wi‑Fi 7で有線/無線ともに速い。前面USB4は15W給電対応。
OCuLink(PCIe4.0×4)で外付けGPU直結。。
基本スペックと特徴
基本スペック(クリック/タップで展開)
| PCタイプ | デスクトップパソコン / ミニPC |
|---|---|
| ブランド / モデル | MINISFORUM / AI X1 |
| 画面 | 内蔵ディスプレイなし。外部最大4画面(HDMI 2.1/DP 2.0/USB4×2)。 |
| メモリ | 32GB DDR5-5600(SO-DIMM×2/最大64GB)。デュアルチャネル。 |
| ストレージ | 1TB NVMe SSD(M.2 2280 PCIe 4.0)。M.2 2280スロット×2(各最大4TB)。 |
| グラフィックス | AMD Radeon 780M(RDNA 3|12CU|最大2.7GHz想定)。 |
| カメラ / マイク | カメラなし/デジタルマイク(DMIC)×2/3.5mmコンボジャック。 |
| 無線 | Wi‑Fi 7、Bluetooth 5.4。 |
| 入出力 | 前面:USB 3.2 Gen2 Type‑A×2、USB4×1(Alt・PD Out 15W)、3.5mmコンボジャック、DMIC×2、CLR CMOS。背面:電源、2.5GbE(RJ45)×1、DP 2.0×1、OCuLink×1、USB4×1(Alt・PD In 100W/PD Out 15W)、HDMI 2.1 FRL×1、USB 2.0 Type‑A×1。 |
| 外部出力 | HDMI 2.1(最大8K@60/4K@120)×1、DP 2.0(最大8K@60/4K@120)×1、USB4(最大8K@60/4K@120)×2。最大4画面同時出力。 |
| サイズ / 重量 | 128.00×126.00×52.00 mm / 600 g |
| OS | Windows 11 Pro |
構成によりCPU(Ryzen 7 255/260/AI 9 365)やメモリ上限が異なる。OCuLinkでeGPU直結可(M.2スロットを1基占有)。数値は公式仕様・販売ページの記載に基づく。
USB4×2+HDMI 2.1+DP 2.0の4出力とOCuLinkで、小型でも拡張に強い据え置きミニPC。
最大64GBメモリとM.2×2で増設しやすい。用途に合わせて後から強化できる。
Wi‑Fi 7+2.5GbEで通信も速い。NAS運用や大容量転送にも◎。
eGPU強化はOCuLinkが本命。USB4接続よりも高性能になりやすい。
推しポイント:“軽・静・長持ち”+2外部出力で万能な日常機に
良いところ
手のひらサイズ・約600gでも8コアCPUで快適。省スペースな据え置きに最適。
映像出力が強力:HDMI 2.1+DP 2.0+USB4×2で多画面・高リフレッシュに対応。
通信が速い:2.5GbEとWi‑Fi 7で在宅/オフィス両方の回線を活かせる。
OCuLinkで外付けGPU:将来の性能底上げがしやすい。
メモリ/SSDが増設可:SO‑DIMM×2(最大64GB)+M.2 2280×2で拡張余地が十分。
注意して選びたい点
騒音・温度:TDP高めの全開時はファン音/熱が出る。静音重視なら設定調整が必要。
価格は控えめに言って強気:同価格帯の他社機と比べると“端子豊富”以外の差は用途次第。
eGPUの前提条件:OCuLink使用時はM.2スロットを1基占有。USB4接続は性能低下が出やすい。
8K/4K高リフレッシュはケーブル/モニタ要件が厳しい。環境次第で出ないことも。
内蔵GPUは中級:Radeon 780MはフルHD中〜高設定向け。重量級3Dは設定を下げる前提。
どんな人におすすめか
| 目的・シーン | おすすめ度 | 理由 / コツ |
|---|---|---|
| 安定動作・静音 | △ |
理由を見る軽負荷は静かだが、高負荷時はファン音が出る。設置場所と電源設定で最適化したい。 |
| 軽さ・持ち運び | △ |
理由を見る約600gと軽量。ただしACアダプタ必携で“モバイルPC”用途ではない。 |
| バッテリー重視 | × |
理由を見る据え置き前提でバッテリー非搭載。 |
| コスパ重視 | △ |
理由を見る拡張性と端子の多さを活かせる人には価値あり。単純な性能/価格だけで比較すると割高感も。 |
| 入力の快適さ | × |
理由を見るキーボード/マウスは別途用意。好みの外付けを選べる反面、コストは増える。 |
| 画面の見やすさ | × |
理由を見るモニタは別売。4画面や4K高リフレッシュは要件確認が必要。 |
| Web会議 | △ |
理由を見るDMIC×2で音声は良好。カメラは外付け推奨。 |
| 事務作業・学業 | ○ |
理由を見る多画面で資料並行が快適。メモリは32〜64GBにすると余裕。 |
| 写真・軽い動画編集 | △ |
理由を見るフルHD〜4Kショート程度なら快適。長尺/重エフェクトはeGPUや上位機で。 |
| ゲーム | △ |
理由を見るeSports/軽量級は◯。重量級は設定調整かeGPU前提。 |
| 開発・解析 | △ |
理由を見るDocker/VM多用は64GB推奨。ストレージはM.2×2で分離運用が楽。 |
| 拡張性・長期運用 | ○ |
理由を見るSO‑DIMM×2+M.2×2+OCuLinkで余地大。将来のeGPU強化も選べる。 |
実機レビューでの論点(要点だけ)
OCuLink eGPUは体感の伸びが大きい一方、M.2スロットを占有する点に注意という声。
USB4ドックで多端子化は快適。だが映像帯域や給電(15W/100W)仕様は要確認、という指摘。
4K高リフレッシュはケーブル/モニタ相性で挙動差が出ることがある。安定重視なら規格適合品を。
実機の温度/騒音は設置環境と電源設定で差が出ます。購入前に出力要件(解像度・リフレッシュ・ケーブル)と増設計画(メモリ/SSD/eGPU)を確認しましょう。
注意点ガイド
高負荷時の騒音:薄型筐体+高TDPで全開はうるさめ。電源モード調整推奨。
価格対性能は用途次第:端子/拡張を活かせないと割高に感じやすい。
M.2スロット占有:OCuLink使用で内部SSDの搭載数が減る。
内蔵780Mの限界:AAA級は設定を落としても厳しい場面あり。eGPUか上位機へ。
映像出力の条件:8K/4K高Hzは対応ケーブル・モニタ・設定が必須。
“静か・低温”を重視するなら、パフォーマンスと静音のバランス設定を詰めるか、冷却強化の上位モデルも検討を。
比較・代替案
Ryzen 7 260構成:同系の8C/16T。価格差と在庫で選びやすい。
AI X1 Pro(Ryzen AI 9 365/880M):メモリ最大128GB・M.2×3・2.5GbE×2。eGPUなしでも内蔵性能↑。
ベアボーン版:自前でメモリ/SSD/OSを用意できる人向け。コスパ重視なら有力。
MINISFORUM UM780XTX:同じ780Mでも冷却/端子がより豪華。デュアル2.5GbEやOCuLink搭載、据え置き運用に強い。
GEEKOM A8(Ryzen 7 8745HS):近い性能で価格重視の選択肢。セール時はコスパ良。
上位GPU前提なら:小型eGPUボックスやデスクトップGPUをOCuLink直結で。USB4接続より性能低下が小さい。
同シリーズでもCPU/メモリ上限/ストレージ構成が異なるため、購入前に型番とI/O(特に映像・LAN・OCuLink)を要確認。
まとめ:“日常最強の軽量機”だが、値段と拡張性で人を選ぶ
AI X1は、手のひらサイズに8コアCPU+Radeon 780M、USB4×2・HDMI 2.1・DP 2.0を詰め込んだ“拡張が効く”ミニPC。Wi‑Fi 7や2.5GbEも今風。静音/価格に厳しい人には刺さらないが、多画面の据え置き作業機+将来eGPUという設計にハマるなら有力。
買ってよい人:小型で多画面・高速I/Oを重視。後からメモリ/SSDやeGPUで伸ばしたい。
見送る人:静音最優先/重い3Dを内蔵GPUだけで高設定/モバイル運用(バッテリー)を求める。
価格は変動が大きい。セール時や整備済み品も要チェック。増設パーツとケーブル規格も同時に揃えるとハマりにくい。
用語の超かんたん解説
- USB4
最大40Gbpsの汎用高速端子。映像出力(DP Alt)や高速ストレージ、ドック/外付けGPU接続に使える。
- OCuLink
PCIe信号を直接出せる外部端子。USB4接続のeGPUより速度低下が小さいのが利点。
- DisplayPort 2.0
映像出力規格。8Kや4K高リフレッシュに対応。ただしケーブル/機器の対応条件を満たす必要がある。
