GMKtec NucBox G10(Ryzen 5 3500U) |手のひらサイズにM.2×2と2.5G LAN
2019世代Ryzen 5で“安く・小さく・そこそこ速い”。メモリ/SSDは増設OK、3画面4Kも可。ただし最新規格(USB4/Wi‑Fi 6)や重い3Dは割り切りが必要。
結論
買っていい人:とにかく小さく省スペースで、Office/ブラウジング/在宅ワーク/配信閲覧を快適にしたい人。M.2×2で最大16TBまで増設でき、2.5G有線LANや3画面出力で多用途に使える。
見送るべき人:最新規格重視(USB4/Wi‑Fi 6/10Gbps USB)、重い動画編集/3D/最新ゲーム、あるいは長時間の高負荷を回す用途。iGPUは入門級で、CPUも旧世代。
約100mm角・284gの超小型。VESAマウントでモニター背面設置も可。
M.2 2280×2(PCIe 3.0×4)で最大16TBまで拡張。2.5G LAN内蔵でNAS/サーバー用途にも。
3画面同時出力:HDMI 2.1(4K60)/DP1.4(4K60)/USB‑C DP Alt(4K30)。
基本スペックと特徴
基本スペック(クリック/タップで展開)
| PCタイプ | デスクトップパソコン / ミニPC |
|---|---|
| ブランド / モデル | GMKtec / NucBox G10 |
| 画面 | 本体のみ(モニター別売) |
| メモリ | DDR4 16GB(8GB×2, 2400MHz)。SO-DIMM×2で最大64GBまで増設可。 |
| ストレージ | 1TB NVMe SSD(M.2 2280, PCIe 3.0×4)×1搭載。M.2スロット×2で最大8TB×2=16TBまで拡張可。 |
| グラフィックス | Radeon Vega 8(統合GPU, 8CU/最大約1200MHz)。 |
| 無線 | Wi‑Fi 5(Realtek RTL8822CE)/ Bluetooth 5.0。 |
| 入出力 | USB‑A 3.2 Gen1×2、USB 2.0×1、USB‑C(DP1.4 4K@30+USB 3.2 Gen1+PD)×1、USB‑C(給電専用, PD対応)×1、HDMI 2.1(4K60)×1、DisplayPort 1.4(4K60)×1、2.5GbE(Realtek 8125BG)×1、3.5mmヘッドセット端子×1、電源ボタン。 |
| 外部出力 | 最大3画面:HDMI 2.1 4K@60、DP 1.4 4K@60、USB‑C(DP Alt)4K@30。 |
| サイズ / 重量 | 103.00×98.00×42.00 mm / 284 g |
| OS | Windows 11 Pro(プリインストール) |
数値はメーカー/代理店公表値をもとに整理。構成や接続機器により上限解像度/リフレッシュは変動。給電はUSB‑C/約65W級を推奨。
小さくてもM.2×2+2.5G LAN+3画面出力で“置き場所を取らない実用PC”。
M.2×2で後から容量を盛れる。写真/動画置き場や小型サーバーにも。
2.5G LANでNAS間コピーや大容量DLが速い(環境対応が前提)。
3画面4Kは表示用に便利。ゲームや重い描画は設定を下げる前提。
推しポイント:“軽・静・長持ち”+2外部出力で万能な日常機に
良いところ
約103×98×42mm・約284gの超小型。VESAマウント対応で設置が自由。
M.2 2280×2(最大16TB)+メモリ最大64GBでこのサイズとしては拡張性が高い。
2.5GbE内蔵で有線の実効速度が伸ばしやすい。
3画面出力(HDMI/DP/USB‑C)に対応し、在宅やサイネージ構築が楽。
Windows 11 Proプリインストールで業務機能(リモート/BitLocker等)が使える。
注意して選びたい点
CPUは旧世代Zen+(Ryzen 5 3500U)。単コアや重い並列処理は現行U/H世代に劣る。
iGPUは入門級(Vega 8)。最新3Dゲームや高度な動画編集は非現実的。
無線はWi‑Fi 5止まり。Wi‑Fi 6/6Eが必要なら外付けを要検討。
USB4/Thunderboltなし。高速外部GPU/SSD運用や高帯域ドックは不向き。
USB‑Cの片方は給電専用でデータ不可。ポート数も実質少なめ(USB‑Aは5Gbps×2のみ)。
どんな人におすすめか
| 目的・シーン | おすすめ度 | 理由 / コツ |
|---|---|---|
| 安定動作・静音 | △ |
理由を見るアイドルは静かだが、高負荷時は小型筐体ゆえファン音が出る。 |
| 軽さ・持ち運び | ○ |
理由を見る約284gと超軽量。設置・持ち運びも容易。 |
| バッテリー重視 | × |
理由を見る据え置き電源前提(デスクトップ)。 |
| コスパ重視 | ○ |
理由を見る低価格で16GB/1TB・2.5G LAN・M.2×2。用途が合えば費用対効果は高い。 |
| 入力の快適さ | △ |
理由を見るキーボード/マウスは外付け前提。好みの周辺機器で整えたい。 |
| 画面の見やすさ | △ |
理由を見る本体に画面なし。外部ディスプレイ次第だが3画面まで出せる。 |
| Web会議 | △ |
理由を見る処理性能は十分。カメラ/マイクは外付けが前提。 |
| 事務作業・学業 | ○ |
理由を見るOfficeやブラウジングは快適。メモリ増設で同時作業に余裕。 |
| 写真・軽い動画編集 | △ |
理由を見るフルHD中心なら可。長尺4Kや高度なエフェクトは厳しい。 |
| ゲーム | × |
理由を見るeスポーツ系の低設定なら可。最新3Dは設定を大幅に落としても厳しめ。 |
| 開発・解析 | △ |
理由を見る軽めの開発/検証機に。Docker多用ならメモリ32GB以上推奨。 |
| 拡張性・長期運用 | △ |
理由を見るM.2×2とメモリ増設は強み。ただしCPU/無線規格は世代が古い。 |
実機レビューでの論点(要点だけ)
M.2×2とメモリ2スロットで“買ってから盛れる”点が評価されやすい。
発熱/騒音:日常用途は静か、高負荷連続時はファン音が出るという声に集約。
USB‑C給電:安定動作には約65W級のPDアダプタ推奨。モニター給電は出力要件に注意。
Linux運用ではRealtek系(2.5GbE/無線)のドライバ状態に留意という報告が見られる。
表示や電源の挙動はケーブル/モニタ/PDアダプタの条件で差が出ます。まずは付属ACで検証し、構成を詰めるのが安全。
注意点ガイド
CPUが旧世代:最新U/H世代に比べて単コア・持続性能が弱い。
GPUは入門級:3Dゲーム/高度な動画編集は不向き。
最新I/O非対応:USB4/Thunderboltなし、USB 10Gbps帯も非対応。
無線がWi‑Fi 5止まり:高速な無線環境を活かしにくい。
Type‑Cの一つは給電専用で実質ポートは少なめ。
“表示用・事務用・軽作業用の小型PC”としては優秀。重い制作/ゲーム用途は上位APUやdGPU機を検討。
比較・代替案
G10(16GB/512GB):価格を抑えるならこちら。後からSSD増設で対応。
G10(16GB/1TB):買ってすぐ使える容量重視セット。
性能重視(同サイズ帯):Ryzen 5 5600U/5600HクラスのミニPC。CPU/IGPUとも大幅に向上。
静音・低消費電力重視:Intel N100/N200系ミニPC。軽作業特化でファン静かだが3Dは弱い。
無線・最新規格重視:Wi‑Fi 6/USB4対応の新しめのRyzen 7000U/Intel Core Ultra搭載ミニPC。
同価格帯でも世代・無線規格・USB帯域が大きく異なります。用途(表示/事務/軽編集/ゲーム)を決めて選定を。
まとめ:“日常最強の軽量機”だが、値段と拡張性で人を選ぶ
NucBox G10は、“置き場所ゼロ”で実用十分を狙うバリュー機。M.2×2・2.5G LAN・3画面出力は優秀だが、CPU/GPU/無線は旧世代。表示用・事務用の相棒としては強くおすすめ、最新規格や重い作業は上位機へ。
買ってよい人:超小型で多画面&有線速く、静かに事務/在宅/表示をこなしたい。後からSSDやメモリを増やしたい。
見送る人:USB4/Wi‑Fi 6必須、最新ゲームや長時間レンダ/エンコードを想定している。
まずは付属ACで安定動作を確認→必要に応じてSSD/メモリを増設。モニタ側USB‑C給電はW数条件に注意。
用語の超かんたん解説
- DP Alt Mode(USB‑C映像出力)
USB‑Cケーブル1本でDisplayPort映像を出す仕組み。帯域に限りがあり、4K60非対応の構成もある。
- NVMe SSD
PCIe接続の高速SSD。M.2スロットに装着し、SATAより読み書きが速い。
- 2.5GbE
最大2.5Gbpsの有線LAN。対応ルーター/スイッチ/ケーブルで実力を発揮。
